神奈川大学日本常民文化研究所

講座と展示

第27回 常民文化研究講座「古文書修復実習」終了報告

古文書修復実習を開催

日程:2024年3月10日(日)~3月11日(月)
会場:横浜キャンパス3号館地下2階 古文書修復室
講師:関口博巨(所員)  
 白水智(客員研究員・中央学院大学教授)
 山口悟史(客員研究員・東京大学史料編纂所技術専門職員)
 中村慧(杉並区生涯学習推進課文化財係)  
 平田茉莉子(修復専門員)

  • 第27回古文書修復講座
  • 現状の記録・解体
  • 修理/繕い
  • 復元/化粧裁ち
剝離/襖の下張り文書の剝離

 2023年3月10~11日、全国各地から16名の受講者を迎え、恒例の古文書修復実習を開催した。当日のスケジュールは以下のとおりである。

2024 年3 月10 日(日)
 10:00~17:00 基本的な古文書修復技術の説明及び実習
  ①現状の記録・解体 
  ②修理(繕い・裏打ち) 
  ③復元(化粧裁ち、製本) 
  ④下張文書の剝離
2023 年3 月11 日(月)
  9:30~16:30 同上 ①~④
 16:30~17:00 反省会

 今回の受講者の皆さんは、博物館や図書館などにお勤めで、日頃から古文書などの紙資料を扱っておられる方が多かった。それだけに、お一人お一人が差し迫った課題を抱えておられ、真剣に実習に取り組む姿が印象に残った。実習後の反省会は、実習内容にかんする質疑はもとより、資料保存活動を進める上での課題や悩みを語り合う場にもなった。
 最後に、実習終了後にお寄せいただいたアンケートをいくつか紹介しておきたい。

  • 「密度の濃い実習でした。講師の先生はもちろん、受講者の皆さんも熱心で、この場に参加できたことをとても嬉しく感じています」
  • 「古文書を扱う基本的な考え方を、作業工程の中から学ぶことができたと思っています。これらを自館に持ち帰り、まずはできることから取り組んでいこうと思います」
  • 「何かをしなければならないにも関わらず、全くできないという忸怩たる状況でした。そんな中で、今回の講座は、本当に初めの一歩ながら良い経験となりました」
  • 「一つの工程のみを行うのではなく、通しで学べたことで分かることも多かったです」
  • 「様々な分野の方と関わることができ、たいへんうれしく思いました」
  • 「今回いただいたご縁を大切に、職務に励みます。その中で壁に当たりましたら、ご相談にのっていただけますと幸いです」

(文責:関口博巨)