神奈川大学日本常民文化研究所

講座と展示

常民文化ミュージアム

 このたび神奈川大学日本常民文化研究所展示室は「常民文化ミュージアム」として2023年3月13日よりリニューアルオープンしました。

神奈川大学ミュージアムコモンズ

 神奈川大学ミュージアムコモンズは、3つの展示室(大学史展示室、常民文化ミュージアム、企画展示室)、学習スペース、多目的に利用できるラウンジの3つのゾーンで構成されるスペースとなっています。このエリア全体を「ミュージアムコモンズ」、ラウンジを創立者の名を冠した「米田吉盛記念ラウンジ」と名付け、展示を中心とした大学の歴史や研究成果の発信の場、それらを活用した学生や地域に開かれた学習・交流の場として活用します。

[会場]神奈川大学横浜キャンパス 3号館1階
[開室時間]10:00~16:00
[休室日]土・日・祝日、大学所定の休日、夏季休暇期間、冬季休暇期間

常民文化ミュージアム

常民文化ミュージアムの入口。「日本常民文化研究所
の歴史」のパネルを展示

 日本常民文化研究所は1921年に渋沢敬三により創設されて以来、民具の収集・分類、古文書の収集・整理、漁業史研究など、日本常民社会の多様な領域を対象とし、他に類を見ない独創的業績を上げてきました。
 1982年大学の付置研究所として再出発した後も、伝統を受け継ぎつつ学際的・国際的研究センターとして一層の発展を見せています。
 このたび展示室をリニューアルし、「常民文化ミュージアム」として公開をはじめました。
 あらたな展示は、研究所を紹介する「常民文化へのアプローチ」にはじまり、「海のくらしと知恵」「布とくらし」「生活の記録」の4つのコーナーに分かれています。また、床面には研究所が出版してきた生活文化にまつわる資料集の対象となった地域を示した日本地図、外壁面には、常民研が歩んできた100年の歴史年表があります。

収蔵資料展示

収蔵資料展示「湯たんぽ」 2023年7月3日(月)~10月14日(土)

  • 浅井式湯婆(クリックで湯口の陽刻「浅井式」部分拡大)
  • 展示風景

 神奈川県津久井郡城山町(現相模原市)の雑貨屋「中西商店」にて、昭和30~50年代頃に販売されていた「湯たんぽ」を中心に収蔵資料展を開催しております。
 冬の寒い時にふとんの足元に入れる「湯たんぽ」というと、楕円の波付きデザインが思い浮かぶのではないでしょうか。今回の展示では、この波付きのデザインがどのように登場したのかを追いながら、現在でも私たちのくらしで用いられている「湯たんぽ」を考える機会としております。

常設展示

  • 常民文化へのアプローチ
  • 海のくらしと知恵
  • 布とくらし
  • 生活の記録

弁財船実物大部分復元模型 近藤友一郎氏製作

 横浜キャンパス3号館地下1階のロビーには、江戸時代から明治時代にかけて荷船として活躍した100石(約15トン)積弁財船帆船帆柱部分の実物大復元模型が展示されています。静岡県の船大工近藤友一郎氏の卓越した技術と研究によって、江戸時代の設計図をもとに製作されました。

帆船帆柱部分模型 断面前方

近藤友一郎氏

昭和3年(1928)、焼津(静岡県)にある近藤造船所、二代目船大工の父・佐吉の長男として誕生した。15歳で焼津造船所に船大工見習いとして入社、29歳で独立し近藤造船所を再興。静岡県相良町大江八幡宮の船祭で見た弁財船の模型の精巧な造船手法に感動し、伝統的な和船模型の製作を志す。平成元年(1989)、近藤和船研究所を設立。和船模型の製作、展示とともに関連資料の調査・収集を行なう。平成16年(2004)、「現代の名工」に選出され「卓越技能章」受賞、2年後「黄綬褒章」を受賞。満79歳にて逝去。