神奈川大学日本常民文化研究所

研究所紹介

創立100周年記念


はじまりは屋根裏の博物館

アチック・ミューゼアム(1920年代後期) 目録番号:写4-1-7-2
アチック・ミューゼアムで民具を付けた同人 
目録番号 : ア-78-12
アチック・ミューゼアム新館(1933年竣工) 
目録番号:河1-6-15

 2021年、神奈川大学日本常民文化研究所は創立100周年を迎えました。
 研究所のはじまりは、渋沢敬三(1896~1963)がまだ東京帝国大学の学生だった頃に、自宅の物置小屋の屋根裏に友人たちとつくった小さな博物館でした。大学卒業間もない1921年の5月、渋沢は友人たちと相談し、学問研究のための同好会「 アチックミューゼアムソサエティ」を設立します。1925年には「アチック・ミューゼアム」に改称しました。
 渋沢は仲間たちとともに、普通の人々、すなわち常民の生活文化についての歴史学や民俗学の研究をおこないます。銀行の仕事の合間に取組む学問を、世界の人類に貢献する本物の学問にしようとする情熱が渋沢を動かす原動力でした。
 1942年には日本常民文化研究所と改称します。1981年に神奈川大学に招かれて大学の付置施設となり、1993年には歴史民俗資料学研究科、2020年には国際日本学部歴史民俗学科を開設します。2023年には、旧来の展示室を常民文化ミュージアムとしてリニューアルオープンしました。屋根裏からはじまった研究所は、国内外の研究者と交流し、さらには日本人のみならず留学生も学ぶ研究教育機関に成長しました。
 神奈川大学日本常民文化研究所は2021年から2025年までの5年間にわたり、100周年を記念した講座の開催や100周年記念刊行物の発行をおこないます。
 屋根裏に宿った知的好奇心は、次の100年に向けて成長しつづけています。

〈記念事業〉

関連シンポジウム

常民文化研究講座 創立100周年記念事業 日本常民文化研究所の100年

  • 第25回 渋沢敬三と日本の近代
  • 第26回 物質文化にみる遠い過去/近い過去 —民具研究と考古学—
  • 第27回 生活世界の史料学
  • 第28回 日本の民家の行方を探る—建築と民俗の垣根を越えて—

博物館の開設

  • 常民文化ミュージアム
  • 生活の記録

出版

  • 『常民文化研究』
  • 『古文書修復講座』

デジタル公開