神奈川大学日本常民文化研究所

調査と研究

受託研究 輪島市・上時国家文書・時国家文書調査業務

調査地域

石川県輪島市

研究目的

 上時国家文書・時国家文書調査業務は、「小西漆器店文書の研究」から継続する輪島市からの受託研究である。当研究所では、財団法人時代の1952年から2000年頃まで、時国健太郎家文書(石川県指定文化財「上時国家文書」)と時国信弘家文書(輪島市指定文化財「時国家文書」)の調査・研究を断続的に行ってきたが、近年の輪島市の調査によって、未公開の時国家文書や指定漏れの上時国家文書のあることが確認された。これを受けて、当研究所では、両家文書目録の補充や両文書群の評価書作成などの古文書調査事業を受託することとなった。あわせて、小西庄五郎漆器店所蔵古文書の調査・研究も継続する。

時国信弘家の近世文書
  • 輪島市の担当者との打ち合わせ
  • 箱詰めされた時国健太郎家文書(一部)

期待される成果

 両時国家の古文書は長いこと「門外不出」とされてきた。門外不出の扉を開いたのは、常民研の創始者渋沢敬三であった。以来、宮本常一を中心とした九学会連合の総合調査(財団法人時代)や網野善彦を代表とする「奥能登時国家の総合的研究」(神奈川大学招致後)などが、両家文書を調査・研究の対象としてきた。神大常民研の総合的研究では、近世の両時国家が百姓身分でありながら北前船船主として大規模な日本海交易を展開していたことなどを解明した。それは、百姓=農民という日本史の常識をひっくり返すものであった。今次の受託研究においても、輪島市はもとより学界全体に貢献しうる発見が期待されよう。

[期間]2022 年~