神奈川大学日本常民文化研究所

調査と研究

受託研究 輪島・小西漆器店文書の研究

新着情報

調査地域

石川県輪島市

  • 小西漆器店の外観
  • 小西漆器店所蔵 クロメ大鉢(享和元(1801)年)

研究目的

 本調査は、輪島市からの委託業務として始められたものであり、同市河井町の小西庄五郎漆器店が所蔵する古文書を整理し、目録を作成することを目的としている。当面の具体的な作業としては、ポリ袋や段ボール箱に収納されていた古文書群を、原則一点ごとに中性紙の古文書整理封筒に詰め、番号を付与し、中性紙の古文書整理容器に収納しなおす。そのうえで、全文書をデジタルデータ化し、古文書目録を作成する。

期待される成果

 輪島塗は輪島市の名産としてよく知られている。小西庄五郎漆器店は、享保8(1723)年創業とされる輪島塗の専門店であり、当地を代表する漆器店のひとつである。同店は、京坂方面に行商して椀講(年賦販売の講組織)を始め、多くの顧客を得たといわれている(『図説 輪島の歴史』(2003)ほか)。同店所蔵文書の整理・目録化は、貴重な古文書の散逸を防ぐとともに、輪島塗の歴史はもとより、近世から近現代にいたる漆器店経営・職人の実態・町の暮らしなど、多様な歴史の解明に寄与するものとなるだろう。

[期間]2018年7月12日~2019年3月25日