神奈川大学日本常民文化研究所

調査と研究

受託研究 三宅村郷土資料公開・保存事業

新着情報

調査地域

東京都三宅島

研究目的と期待される成果

三宅島郷土資料館の調査の様子(2019年8月)

 三宅村の委託研究として、三宅村郷土資料の調査、公開、保存に関わる事業を進めるため、現地に赴いて調査、整理作業を行う。具体的には、三宅島郷土資料館の資料目録を作成する。また、三宅村の古老に生業や慣習などについて聞き書き調査を実施し、その結果をオーラルヒストリーとして冊子体にまとめる。
 周知のように、三宅村は、これまでも度重なる火山噴火に見舞われてきたが、とくに、2000年の噴火では全島避難という筆舌に尽しがたいほどの被害をうけた。島内には歴史的に重要な諸資料をはじめ、三宅島だけに伝わる固有の民俗が残されており、これまでの調査でもテングサ採取の最盛期の実態や、鳥羽地方から移住した海女の存在、江戸時代に禁制とされた不受不施派僧侶の墓石の存在などが確認されている。火山被害による文化財の調査、保存態勢の構築が急がれる中で、本調査の果たすべき役割は大きいといえる。