神奈川大学日本常民文化研究所

講座と展示

第28回常民文化研究講座「古文書修復実習」終了報告

古文書修復実習で得る人とのつながり

日程:2025年3月9日(日)10:00~17:00、3月10日(月) 9:30~17:00
会場:日本常民文化研究所古文書修復室(横浜キャンパス3 号館地下2 階)
講師:関口博巨(所員)  
 白水智(客員研究員・中央学院大学教授)
 山口悟史(客員研究員・東京大学史料編纂所技術専門職員)
 中村慧(杉並区生涯学習推進課文化財係)  
 平田茉莉子(日本常民文化研究所学芸員)

2024年度集合写真
  • 記録・解体
  • 修理
復元
剝離

 2024年度の古文書修復実習は2025年3月9 日~10日に開催され、全国から16名の受講者を迎えた。本年度から紙での公募に併用して、Web による公募をはじめた。例年と比較すると、2倍程度の応募があり、博物館や図書館・文書館など日常的に資料に接している施設にお勤めの方だけでなく、一般の方や学生の応募も多いように思えた。来年度以降もWeb による公募を続けていきたいと考えている。
 当日のスケジュールは以下のとおりである。

2025年3月9日(日)
 10:00~17:00 基本的な古文書修復技術の説明及び実習
  ①記録・解体    
  ②修理(繕い・裏打ち)
  ③復元(化粧裁ち・製本)
  ④下張り文書の剝離
2025年3月10日(月)
  9:30~16:30 同上①~④
 16:30~17:00 反省会・
修了書授与式

 今回の実習で28回目を迎える本実習だが、毎年2日間の実習を通して、講師と受講生だけでなく受講者同士の交流の場となり、実習後も交流のあるコミュニティを築くことができている。資料に関わる業界で仕事をしていると、人同士の繫がりがとても大切であると実感することが多い。そういった意味で、この講座は単に技術を学ぶだけではなく、人との繋がりを得ることができ、とても意義のある2日間になっているように思える。
 また毎年多くの受講者の方から、修了者向けの中級編・上級編の実習の開催をしてほしいとの意見を頂く。今後は現在の実習を続けつつも、様々な形態で「修復」に関する講座やワークショップ等が開催できるように計画をたててゆきたいと考えている。
 以下受講者のかたに書いていただいたアンケートをいくつか紹介する。

  • 作業を通じて自分が普段接している資料のまたちがった面を見ることができ、新鮮な心もちがしました。今回実習で学んだことを活かして、これからも資料とむきあっていきたいと思います。
  • 大学の授業では古文書の読解や様式については学ぶものの、実際に古文書が如何にして修復や記録、整理されるのかについて学ぶ機会はなく、実際に手を動かしながら学ぶことのできる今回の講座は大変勉強になった。
  • 日々の業務にすぐ取り入れられそうなこと(目録の取り方など)から、とても自分では出来そうにないこと(裏打ち)まで幅広く学べました。この実習のような内容を地方の市町の文化財職員は求めていると思いますので、どうぞ今後も続けていただければ有難いです。

(文責:平田茉莉子)