ATTIC MUSIUM

神奈川大学
日本常民文化研究所
Institute for the Study of Japanese Folk Culture Kanagawa University

講座と展示

第18回 常民文化研究講座 「船模型・船図・船絵馬—和船資料の保存と活用—」

第18回常民文化研究講座が開催されました(報告)


  • 講座風景

  • 総合討論

【事業状況報告書 事業の概要及び実施の効果】
2014年11月15日(土)、神奈川大学横浜キャンパス3号館において第18回常民文化研究講座「船模型・船図・船絵馬 -和船資料の保存と活用-」が開催された。今回の講座は、船大工の経験を生かし和船研究の成果を船舶模型により発表してきた近藤友一郎氏が開設した「近藤和船研究所」の資料が当研究所に受け継がれ、その一部を紹介する企画展「近藤友一郎和船模型の世界展」と連携して開催したもので、和船研究に重要な模型・図面・絵馬資料に焦点をあて、それらの調査、収集、保存と活用について検討した。
はじめに昆政明所員による基調講演「復元弁才船の帆走と海事資料の活用」があり、本年3月に解散した公益法人「みちのく北方漁船博物館財団」が建造した北前型弁才船の実物大復元船みちのく丸の帆走実験にあたり、刊本、絵馬、古写真がどのように生かされたかを具体的に紹介した。続いて、パネル報告に移り真島俊一(株式会社TEM研究所所長)による「近藤和船研究所の資料とその特徴について」、小堀信幸(船の科学館学芸部調査役)による「海事資料保存の現状と課題」、神野善治(武蔵野美術大学教授)による「船霊と船の祭り—船の民俗学—」の発表があった。次いで小島孝夫(成城大学教授)のコーディネートによる総合討論があり、会場からの質問用紙に答える形で進行したが、時間の関係上十分議論を深めるに至らなかった点が惜しまれる。
 アンケートの結果でも「和船の構造、造船方法、航法について大変勉強になった」「和船資料の保存の難しさについてよく理解できた」と内容を評価する記載が多くみられた反面、「討論に時間を割いて欲しかった」「時間が足りなくてもったいなかったです」といった記載も多くみられた。また「船絵馬」についてあまり触れられなかった点に不満を述べる意見が多いのが特徴であった。
 当日は、船という一般にはなじみの薄いテーマにもかかわらず、首都圏をはじめ岐阜県、富山県、青森県などから100名を超える参加者があり、一般参加者も80名を超えた。企画展も好評で今後も船に関する資料の充実と情報の発信への期待が感じられた。

以上