神奈川大学日本常民文化研究所

講座と展示

第24回常民文化研究講座「景観の総合資料学-漁場図を読む2-」終了報告

日程:2020年12月12日(土)13:00~17:45
場所:神奈川大学横浜キャンパス ただし、オンラインにて開催

  • オンライン開催での会場風景
  • 発表者との記念撮影
リーフレット

 講座は、常民研共同研究「海域・海村の景観史に関する総合的研究」(2015年-現在)の一環として企画されたもので、常民文化研究講座としてはすでに 2015年に「“漁場図” を読む」と題し第1回をおこなっている。その報告は『歴史と民俗』33号の特集として掲載されている。
 今回は第1回目のように漁場に限定せず、広く生業空間としての山野河海の利用について、歴史学や民俗学、造園学などさまざまな学問分野から景観の変遷(景観史)を切り口に論じられた。そのため、各講師の発表は、手法や論点、対象が多岐にわたり、ときに都市空間を含めた議論がなされた。
 最後の総合討論においては、論点として、①「景観」とは何か、②「景観」を資料とすることの意義、③「景観」を切り口に研究することの面白さ、を設定して学際的な討論がなされた。また、発表者間での遣り取りとともに、参加者(聴衆)からの質問に対しても、活発な質疑応答がおこなわれた。
 なお、当日のプログラムは以下の通りである。

趣旨説明 安室 知(神奈川大学日本常民文化研究所)
発表1.「石丁場—技術の進歩と景観の変化—」
 松田睦彦(国立歴史民俗博物館)
発表2.「北山林業と民家の庭—京都市中川地区における文化的景観調査から—」
 惠谷浩子(奈良文化財研究所)
発表3.「消費から漁撈を考える—琵琶湖のフナズシをめぐって—」 
 橋本道範(滋賀県立琵琶湖博物館)
発表4.「エリの造形と分布—「魞税取調帳」から読む歴史-」
 安室 知(常民研)
総合討論

(文責:安室 知)