過去の展示
神奈川大学 日本常民文化研究所 展示室
収蔵資料ケース展示
※下記のガラスケース内の展示は、現在は新しい内容になっています。
収蔵資料「大地震となまず絵」
[会期]2019年10月1日~11月30日
江戸時代末期の安政年間(1854~1860)は、黒船が来港して外国から相次いで開港を迫られるなど、日本は多難な状況下にありました。さらに全国各地で大きな地震が頻発し、なかでも安政2(1855)年10月2日午後10時ごろに、関東地方南部で発生したマグニチュード7クラスの地震は、安政江戸地震と呼ばれ、倒壊家屋1万5000戸以上、犠牲者1万人以上と推定されています。
そのようななか、江戸の町では風刺版画であるなまず絵が多数出回りました。地震の発生直後から出回ったなまず絵には、地震に関するうわさ話や社会批判などが、擬人化されたなまずとともにダジャレやユーモアをもって描かれており、江戸の庶民の間にまたたく間に広まりました。およそ2ヶ月の間に250種以上の作品が作られたといわれています。
本展では常民研が所蔵するなまず絵を紹介します。大地震を経験した江戸の庶民が、地震をどのようにとらえたか、地震による出来事に対する心情がどのようであったか、を感じていただきたいと思います。