神奈川大学日本常民文化研究所

調査と研究

基盤共同研究 日本常民文化研究所所蔵資料からみるフィールド・サイエンスの史的展開

終了報告 第16回公開研究会 吉田三郎『男鹿寒風山麓農民日録』英訳出版記念ブックトーク

「農民の経験を伝えること、翻訳すること」
Donald C. Wood 氏(秋田大学)

Transmitting and Translating Farmers’ Experiences

日時:2026年2月20日(金)17:00~18:30
会場:横浜キャンパス9号館12室 (日本常民文化研究所)(オンライン併用 Zoom)
司会:泉水英計
主催:神奈川大学日本常民文化研究所

  • ドナルド・ウッド氏
  • 研究会の様子

 秋⽥県男⿅半島の農⺠作家、吉⽥三郎の『男⿅寒風⼭麓農⺠⽇録』の英訳出版の経緯が、訳者のドナルド・ウッド⽒により語られた。『⽇録』は1930年代半ばの農家の⽇々の⽣活を⽂字通り⼀⽇⼀⽇克明に記した貴重な⼀次資料である。ウッド⽒は、アチックミューゼアム彙報16として出版された『日録』成立の背景や、図版・⽅⾔を含む膨⼤な⼀次資料を英語に移し替える際の困難、編集上の誤りの検証作業について紹介した。あわせて、吉⽥と渋沢敬三、⼤⻄伍⼀らとの交流、保谷の民族学博物館での勤務を経て秋⽥に戻り農業共同体形成に尽⼒する戦後に⾄る歩みが語られ、在地の農⺠が⾃らの⾔葉で綴った記録を世界に開くことの意義が改めて⽰された。

(文責:泉水英計)