神奈川大学日本常民文化研究所

刊行物

歴史と民俗 既刊目次

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歴史と民俗40〈2023.7.19〉[特集 それぞれの資料と方法]

神奈川大学日本常民文化研究所論集40

神奈川大学日本常民文化研究所編 発行/平凡社 

 『歴史と民俗』は、常民文化研究講座と連携して特集を組んできましたが、本号は独自特集「それぞれの資料と方法」となりました。巻頭に座談会を収録し、関連コラム2点、論考8点、加えて巻末に網野善彦「資料学をめぐる若干の問題」を再録しています。また、発行時期は今号より7月となりました。

[目次]
【特集《それぞれの資料と方法》】
《特集のことば》
文書と民具、映像、そして非文字資料
(関口博巨 角南聡一郎 丸山泰明〈司会・後田多敦〉)

●コラム
渋沢敬三の目玉の先を追って(丸山泰明)
時国家調査・二神島調査に携わって考えたこと—総合調査の可能性(窪田涼子)

石造物研究の方法—民俗学と考古学(角南聡一郎)
常民研における資料筆写・出版の思想—『資料筆写のしおり』を中心に(関口博巨)
「東アジア民俗学」のための資料論(周星)
デザインから読み解く社会(角山朋子)
写真映像資料とコミュニティ—デジタルアーカイブ化の先行事例から(高城玲)
儀礼における資料と方法試論—ミエン・ヤオ研究を事例として(廣田律子)
「語り」が語る過去(堀充宏)
歴史資料としての図版と写真、イラスト—首里城大龍柱の向き「改ざん」問題を事例に(後田多敦)

●資料(再録)
資料学をめぐる若干の問題(網野善彦)

 

歴史と民俗39〈2023.3.8〉[特集 渋沢敬三と日本の近代]

神奈川大学日本常民文化研究所論集39

神奈川大学日本常民文化研究所編 発行/平凡社 

 本号の収録論文は、2021年に実施した第25回常民文化研究講座「日本常民文化研究所の100年 渋沢敬三と日本の近代—越境し総合する知の100年」を基にした7本です。

[目次]
【特集 «渋沢敬三と日本の近代»】
【解題】特集「渋沢敬三と日本の近代」(丸山泰明)
日本常民文化研究所一〇〇周年に寄せる言葉(渋沢雅英)
アチック学派の「知脈」形成と「常民文化」概念の誕生—人類学史の観点から(全京秀/訳 神野知恵)
渋沢敬三と祖父栄一—実業家・渋沢栄一後嗣の進路選択に関する一考察(永井美穂)
渋沢敬三のヨーロッパと南島への旅—他者へのまなざし、自己への内省(丸山泰明)
渋沢敬三と銀行調査部—「二足の草鞋」が拓く社会的実践の可能性(辻󠄀本侑生)
渋沢敬三の公職追放解除後の社会活動と文化外交—アメリカ統治下沖縄の事例で考える(後田多敦)
蝸牛と民具—民俗分布論をめぐる柳田国男と渋沢敬三そして内田武志(安室知)
渋沢敬三における「学問」と「実業」(佐藤健二)

 

歴史と民俗38〈2022.2.18〉[特集 景観の総合資料学]

神奈川大学日本常民文化研究所論集38

神奈川大学日本常民文化研究所編 発行/平凡社 

 今号では「景観の総合資料学」と「人々の境界と越境」の大小二つの特集を組みました。大特集は、2020年12月に開かれた第24回常民文化研究講座「景観の総合資料学—漁場図を読む2」の成果を展開させた内容となっています。

[目次]
【特集 «景観の総合資料学» 】
【解題】特集「景観の総合資料学」(安室知)
採石場の景観変化—高度経済成長期の石材需要と新技術の導入(松田睦彦)
北山林業と民家の庭—京都市中川地区における文化的景観調査から(惠谷浩子)
消費から漁撈を考える—琵琶湖のフナズシの洗練化をめぐって(橋本道範)
エリの造形と分布—明治十七年「魞税取調帳」から読む琵琶湖漁業の歴史(安室知)
津波の跡地と景観—宮城県気仙沼市大島の災害危険区域の事例から(小野寺佑紀)
漁撈活動からみたヤマアテの初源—〝絵図なき漁場図〟の遡及的検討(太田原潤)

【小特集 «人々の境界と越境» 】
日本の植民地統治における国籍と戸籍—「日本人」の創出と支配(遠藤正敬)
「在日」と「日本人」—「溝と壁」の越境は可能か(柳赫秀)
海を渡った「娘子(じょうし)軍」—北満に映し出された近代日本の光と影(山本志乃)
越境する〈周縁〉の人びと—徳之島南米移民を事例に(加藤里織)

 

歴史と民俗37〈2021.3.1〉[特集 交差する日本農村]

神奈川大学日本常民文化研究所論集37

神奈川大学日本常民文化研究所編 発行/平凡社 

 今号は新しい試みとして、「交差する日本農村」「新考・再考・再再考」の大小二つの特集を組みました。論考は全体で14本。例年にない大部な号となりました。大特集「交差する日本農村」は、第23回常民文化研究講座・国際研究フォーラム「交差する日本農村研究—アチック・ミューゼアムとジョン・エンブリー」(2019年12月14日開催)をもとにしたものです。

[目次]
【特集 «交差する日本農村»】
【解題】特集「交差する日本農村」(泉水英計)
渋沢敬三の「全体」と「自民俗誌」─アチック学派の提言(全京秀<訳 神野知恵>)
有賀喜左衞門における欧米研究の摂取について─ドイツ社会学関係のノートを中心に(三須田善暢)
学問の同時代性への視点─「内から見た日本農村研究」へのコメント(加藤幸治)
エンブリーの見た須恵村の復原とその現代的意義(神谷智昭)
須恵村の「協同」とエンブリー夫妻の日米戦争(田中一彦)
ジョン・エンブリーによる冷戦初期の批評の発展と射程について
(デイビッド・プライス<訳 井上淳生>)
文化人類学的・民俗学的日本研究の中の『須恵村』(桑山敬己)

【小特集 «新考・再考・再再考»】
地域民衆史・再考─イメージ構成としての「崎戸炭鉱」(安田常雄)
義足考─一九〇四─二〇二〇(木下直之)
生活の «解体»考─暮らしと住まいを見つめる学問の軌跡(須崎文代)
民俗学の新時代─ "世界常民学" の道(佐野賢治)

【一般論考】
民俗分布の解読法─正月の「年取魚」を例にして(安室 知)
妖獣シイ、河童信仰宗家・肥後渋江家を興す─歴史民俗人類学序説(小馬 徹)
日本近代における「民家」へのまなざしと民芸運動について(内田青藏)

 

歴史と民俗36〈2020.2.19〉[特集 民具研究の新時代]

神奈川大学日本常民文化研究所論集36

神奈川大学日本常民文化研究所編 発行/平凡社 

 今号は、第22回常民文化研究講座・国際研究フォーラム「アジア民具研究の可能性—民具体系と生活構造の比較から」(2018年12月)をもとに展開し、特集「民具研究の新時代」は特集解題および4論文で構成されています。また、所員・研究員による一般論考3本、研究ノート2本、史料紹介1本が掲載されています。

[目次]
【特集<<民具研究の新時代>>】
【解題】特集「民具研究の新時代」(佐野賢治)
対談 民具とは—道具の人間化と人間の道具化(川田順造・佐野賢治)
国際ハニ/アカ農耕器具の変遷(楊六金/訳 呂俊梅・江夏瑠霞・程亮)
民具から見る中国江南一農家の生活誌(張正軍)
中国少数民族の女神神話と図像叙事—袋と縄の象徴性を中心に(金善子/訳 神野知恵)
台湾原住民族パイワン族のアワ利用—社会関係と物質文化を中心に(野林厚志)
【一般論考】
方法としての民俗分布論の開拓—民俗地図と柳田国男(安室知)
福島県内における近世の拍子田と太鼓田—『会津農書』の拍子田と田歌を中心に(佐々木長生)
地方財閥と地域貢献—山形県鶴岡風間家の事例(森武麿)
【研究ノート】
鶴見川 木造三船—小型汎用船と氾濫準備船 実測調査(須田充洋・昆政明)
江戸時代における杉山流鍼術の創立と発展(張益嘉)
【史料紹介】
「曽根・児玉四月報告」と「在福州琉人談判ノ始末」—「琉球処分」時の福州琉球館と琉球人の動向を伝える史料(後田多敦)

 

歴史と民俗35〈2019.2.22〉[特集 二神島]

神奈川大学日本常民文化研究所論集35

神奈川大学日本常民文化研究所編 発行/平凡社 

 特集「二神島」は、2008年に始まった第3期共同研究「瀬戸内海の歴史民俗」による10年の成果です。論文6点と研究ノート1点、コラム3点で、研究成果を披露しながら、共同研究の歴史も伝える記録にもなっています。一般論考は、所員・研究員による4点が掲載されています。

[目次]
【特集<<二神島>>】
【解題】特集「二神島」(前田禎彦)
中世瀬戸内島嶼群の史的性格について—いわゆる「三島七島」・「忽那七島」の形成(石野弥栄)
中世二神氏と二神島(前田禎彦)
「水軍の記憶」を編む—二神種草の歴史叙述(関口博巨)
二神島村上家の活魚集荷と廻船業(田上繁)
家と親類、二神島の葬墓制(萬井良大)
二神島豊田造船所の様式船建造—聞書きと残された造船関係資料から(昆政明)
【研究ノート】
二神島豊田造船所のモノ資料から見えた造船の広がり(石野律子)
【コラム】
二神調査の思い出(橘川俊忠)
神奈川大学日本常民文化研究所と二神島(豊田渉)
豊田氏・二神氏、西瀬戸内海七百年の記憶(二神英臣)
【一般論考】
戦後開拓と満州移民—那須千振開拓組合を事例として(森武麿)
都市祭礼(山車祭)の精神誌的研究のために—高岡御山車祭と見せる・見る夢幻(小馬徹)
絵馬から見る村落風景—喜多方市村松湯殿神社の絵馬を中心に(佐々木長生)
三・二の津波被害から復興した気仙沼大島の小山(外畑)家住宅の建築について(津田良樹・備前文雄・小玉嘉裕)

 

歴史と民俗34〈2018.3.9〉[特集 揺れる沖縄]

神奈川大学日本常民文化研究所論集34

神奈川大学日本常民文化研究所編 発行/平凡社 

 特集「揺れる沖縄」は、2016年度に開催された第20回常民文化研究講座報告を受けて新たに2名の論考と、加えてコメントという枠を発展させて3名の論考が寄稿されています。また、4本の一般論考を掲載しています。

[目次]
【特集<<揺れる沖縄>>】
【解題】特集「揺れる沖縄」(小熊誠)
沖縄 占領直後の住民生活(川平成雄)
「島クトゥバで語る戦世」の二〇年(比嘉豊光)
オキナワン・ロックをめぐる沖縄・アメリカ・日本(ロバーソン・ジェームス/訳 泉水英計)
土地と移民—琉球政府ボリビア計画移民の端緒(豊見山和美)
日銀から見た沖縄返還と通貨交換—自衛隊利用、中央省庁の対応など中心に(軽部謙介)
コザにおける住民と米兵の多重性—ロバーソン報告のコメントにかえて(泉水英計)
「民衆生活史」を通して「揺れる沖縄」を透視すること—川平報告へのコメント(安田常雄)
沖縄の国政参政権の「剝奪」「付与」の近現代史
 —新領土の沖縄、権利なき臣民・国民としての沖縄人(後田多敦)
【一般論考】
柳田国男が描く日本地図—消される北海道、揺れる沖縄(安室知)
猿と猩々が守る都市宇宙—高岡御車山祭のコスモロジー(小馬徹)
「喜兵衛どん」(旧仲善家住宅)の建築について(津田良樹)
災害と歴史的建造物—中村半二郎家住宅調査を中心に(橘川俊忠・津田良樹・小玉嘉裕)

 

歴史と民俗33〈2017.2.22〉[特集 「漁場図」を読む]

神奈川大学日本常民文化研究所論集33

神奈川大学日本常民文化研究所編 発行/平凡社 

 特集「「漁場図」を読む」は、2015年度に開催された第19回常民文化研究講座の報告を中心とした、8つの論考と概要説明を付す構成となっています。また、特集に加えて客員研究員による一般論考も掲載しています。

[目次]
【特集<<「漁場図」を読む>>】
【解題】特集「「漁場図」を読む」を編むにあたって(安室知)
近世の「漁場絵図」から近代の「漁場図」へ—島根県出雲国中海の『赤貝活かし』場利用を事例に(伊藤康宏)
『近江水産図譜』を読む—琵琶湖漁撈の構図(橋本道範)
近世末期「旧薩藩沿海漁場図」の構図と記載事項(橋村修)
「漁場」図をめぐる漁民と行政の認識の齟齬—新潟県中頸城郡における明治初期海面借区関係絵図をもとに(横山貴史)
韓国の漁撈民俗と漁場図—高興半島と済州島の比較(李恵燕)
四つの漁場図からみた地域社会についての分析—山形県飛島の事例から(新垣夢乃)
「稲田養鯉図」を読む—明治の博覧会と「佐久鯉」をめぐって(安室知)
なぜ「漁場図」は残ったか—神奈川大学日本常民文化研究所所蔵「漁業漁村関係影写絵図」について(越智信也・窪田涼子)
【一般論考】
戦前農村経済更生から現代農村再生へ—農村経済更生運動の歴史的教訓(森武麿)
民具と化した古文書—養生文書の調査実例(泉雅博)
米国の台湾占領に関する研究と政策の変化及びその影響について(蘇瑤崇)

 

歴史と民俗32〈2016.2.24〉[特集 和船]

神奈川大学日本常民文化研究所論集32

復元弁才船みちのく丸 
撮影/昆 政明

神奈川大学日本常民文化研究所編 発行/平凡社 

 特集「和船」は、2014年度に開催された第18回常民文化研究講座のテーマを核として、中心となった所員をはじめ、講座での発表者以外の研究者から寄稿された新たな論考も掲載しています。

[目次]
【特集<<和船>>】
【解題】和船—和船資料の保存と活用にむけて(小島孝夫)
『越中魚津猟業図絵』と船—図像資料にみる富山湾の和船(廣瀬直樹)
二枚水押船—淀川・大和川水系の主要川船(織野英史)
鶴見川の水運と和船(刈田均)
八丈島のフナダマサン—船の民俗学から(神野善治)
木造漁船雑感—実測を通して(須田充洋)
江戸前和船の動態保存—東京都江東区の例を参考に(小野寺幸市)
船絵馬に見る弁才船の帆走(昆政明)
【一般論考】
伊能嘉矩の台湾研究に関する方法論的再検討—<巡台日乗>(一八九七年)の精読を通して(全京秀)
「玄関」から見た明治以降の住宅の洋風化に関する一考察—戦前期刊行の建築系関連書籍を主資料として(内田青蔵)
駿河国駿東郡柳沢の赤野観音堂の建築について(津田良樹)
横浜市六角橋商店街仲見世通りの成立(津田良樹・杉江知樹・山家京子・鄭一止)

 

歴史と民俗31〈2015.2〉[特集 天皇、王の葬儀]

神奈川大学日本常民文化研究所論集31

【特集 天皇、王の葬儀】
「天皇、王の葬儀」を特集するにあたって—昭和天皇の葬儀はどのように行われたのか(中島三千男)
日本古代の火葬—文献史料から見た(稲田奈津子)
墓制史のなかの天皇墓(岩田重則)
明治天皇大喪と植民地朝鮮(金山浩)
王の死と葬儀の文化人類学—アフリカの事例を中心として
(阿久津昌三)
[第17回常民文化研究講座関連報告 渋沢敬三の民具研究]
解題 渋沢民具学の以前・以後(佐野賢治)
民具研究の萌芽—
文化文政期の民具研究(小島摩文)
拡張する渋沢敬三—低湿地文化論と基本民具論(大門哲)
手賀沼における「農漁村」—『増田実日記』に見る漁撈を中心として(秋山笑子)
アチック・ミューゼアムにおける出版と写真(羽毛田智幸)
渋沢敬三における民具観の変遷(小林光一郎)
[一般論考]出世する魚—ブリの成長段階名と現代社会(安室知)