神奈川大学日本常民文化研究所

調査と研究

基盤共同研究 渋沢敬三に関する総合的研究

終了報告 出版記念トークイベント『書物から渋沢敬三を読む』
書物学 第30巻 勉誠社 渋沢敬三にとって書物とは何か
—編集・出版・書屋—

「人はなぜ書物をつくり、書物を残すのか」

日程:2025年10月4日(土)14:00~15:30 
会場:神奈川大学横浜キャンパス3号館1階ミュージアムコモンズ・米田吉盛記念ラウンジ  
話し手:川島秀一(東北大学災害科学国際研究所シニア研究員)
    関口博巨(所長)、泉水英計・山本志乃(所員)、ホスト:丸山泰明(所員)

動画公開  
 
(左)会場の様子 (右)『書物から渋沢敬三を読む』書物学 第30巻

 共同研究の成果として2025年9月に勉誠社より刊行した『書物学第30巻 書物から渋沢敬三を読む』の出版記念トークイベントとして、2025年10月4日に神奈川大学横浜キャンパスのミュージアム・コモンズにて「渋沢敬三にとって書物とは何か—編集・出版・書屋』を開催した。話題と論点は多岐に渡り、編集者・出版人・蔵書家としての渋沢敬三の特色は何か、渋沢の姿勢はその後の常民研にどのように受け継がれたのか、手作りの書物と工業製品としての書物の違い、地方に生きる人間にとって書物とその出版とは何か、などについて話し合った。言及された人物も、渋沢をはじめとして、柳田国男、宇野脩平、網野善彦、宮本常一、田中梅治、進藤松司、林勘次郎、吉田三郎と、研究者から漁民や農民まで及ぶ多彩な顔ぶれである。2時間を超えるトークイベントは、渋沢敬三という特定の人物を軸にして個別具体的な事例を取り下げながらも、「人はなぜ書物をつくるのか」「なぜ書物を残すのか」といった普遍的なテーマに及ぶものとなった。
 当日の様子は動画で撮影し、編集の上、YouTubeに公開している。民俗学や歴史学に関心がある人だけでなく、書物に関わる仕事をしている人やしたい人にも、ぜひ試聴していただければ幸いである。

(文責:丸山泰明)