神奈川大学日本常民文化研究所

非文字資料研究センター『国策紙芝居からみる日本の戦争』(「戦時下日本の大衆メディア」研究班 代表・安田常雄 編著)第3回堀尾賞授賞式が行われました

「戦時下日本の大衆メディア」研究班

「戦時下日本の大衆メディア」研究班 代表・安田常雄 編著
神奈川大学日本常民文化研究所非文字資料研究センター
第3期研究成果報告書 勉誠出版(2018年2月28日)
 
 神奈川大学日本常民文化研究所非文字資料研究センター第3期研究成果報告書『国策紙芝居からみる日本の戦争』(「戦時下日本の大衆メディア」研究班 代表・安田常雄 編著)が、第3回堀尾賞を授賞しました。2019年7月6日、ラウンジ目白倶楽部(学習院大学)にて授賞式が行われ、研究代表者の安田常雄氏、研究班メンバーから大串潤児氏と原田広氏が出席されました。

【受賞理由】
 神奈川大学日本常民文化研究所の非文字資料研究センター「戦時下日本の大衆メディア」研究班(代表・安田常雄)による詳細な研究成果として刊行された『国策紙芝居からみる日本の戦争』と、その研究活動について敬意を表し贈られることとなりました。詳細な調査結果を基に、整理されたデータから「国策紙芝居」が戦意高揚に一役かい、戦時下で果たしたメディアとしての実態について本格的に明らかにした重要な研究です。刊行された『国策紙芝居からみる日本の戦争』はⅠ部=センター所蔵の国策紙芝居240点の解題篇、Ⅱ部=研究メンバーによる論考篇、Ⅲ部=全国調査に基づくデータ篇からなる460ページを超える労作で、今後1000を超えるとされる国策紙芝居の全容を解明する手がかりとなる貴重な内容が盛り込まれています。
 この研究から我々が何を学び取り、どう向き合っていくかが今後の重要な課題となっていくと思われます。
【堀尾賞とは】
 紙芝居作家・宮沢賢治研究者・第3代子どもの文化研究所長として子ども文化の広い領域で活動された堀尾青史氏の業績と生誕100年を記念して2015年に設けられました。「堀尾賞」は、紙芝居にかかわる学術的研究、調査、学術的出版、評論活動など、広く紙芝居文化の振興に貢献した個人・団体を対象に隔年に贈られます。(「子供の文化研究所」より)

「戦時下日本の大衆メディア」研究班

○研究代表者 安田常雄
 この研究は、近年日本近現代史研究においても、広がりを見せている戦時下大衆メディアを対象に、そのプロパガンダの機能などを通して、戦時下大衆文化の構造を検証し、戦時体制の特質を再検討することにある。具体的には、非文字資料研究センターに収蔵されている「国策紙芝居」資料の分析を軸に、未発見の紙芝居資料の発掘に努めるとともに、未だ不十分である大衆文化の分析視角の共有化を進めることにある。