神奈川大学日本常民文化研究所

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過去の展示

神奈川大学 日本常民文化研究所 展示室

収蔵資料「小さな和船模型」

※下記のガラスケース内の展示は、現在は新しい内容になっています。

  • 会場の入り口。ガラスケースに展示されています。手前は「海の漁船 チョロ船(三重県)」「びわ湖の漁船」
  • 沖掛しているかつお船と丘との連絡用の「てんま船」(左側)。「仁淀川川船」と「天竜川の渡し船」(右側)
  • 「ペーロン船」は、中国から唐人が長崎にもたらし日本化された帰化風俗の一つ。手前から明治時代、大正時代、昭和現代の船
  • 「勢子船」は鯨組を構成する船で捕鯨に使用します

 和船模型作りで現代の名工に選ばれた近藤友一郎氏の作品を紹介します。近藤氏の模型は独自の調査を基に船型を忠実に再現していることに特徴があります。
 ここでは伝馬船、川舟、ペーロン船といった小型船を中心に紹介します。隣接する企画展示室では、弁財船をはじめとする大型船を展示しています。あわせてご覧ください。

企画展示室 企画展「和船の構造と技術」

右から鎌倉時代の廻船、菱垣廻船、中国船(各10分の1模型)
右から鎌倉時代の廻船、菱垣廻船、中国船(各10分の1模型)
右から鎌倉時代の廻船、菱垣廻船、中国船(各10分の1模型)

 江戸時代、国内の物資輸送は弁才船を中心とする廻船によって担われていました。弁才船の中で千石 (150トン)の荷物を積むことが出来る大型船は千石船といわれ、和船の代表とみなされました。和船は中国船や西洋船とは異なる構造で、造船方法や船大工道具もそれに応じた独特のものが使われています。また、弁才船の帆装は大きな一枚帆が特徴で、近年復元船の帆走実験が行われ、すぐれた帆走性能が明らかとなっています。
 本展では弁才船を中心とした和船の特徴を、船舶模型・船大工道具などの資料とわかりやすいパネルで紹介します。
 また、地下1階ロビーには近藤友一郎氏が制作した100石(15トン)積弁才船の実物大部分復元模型が展示されています。

  • 会場の入り口
    会場の入り口
    会場の入り口
  • パネル展示
    パネル展示
    パネル展示
  • 船絵馬(青森県円覚寺蔵・写真パネル)
    船絵馬(青森県円覚寺蔵・写真パネル)
    船絵馬(青森県円覚寺蔵・写真パネル)
  • 左から中国船、菱垣廻船、鎌倉時代の廻船(各10分の1模型)
    左から中国船、菱垣廻船、鎌倉時代の廻船(各10分の1模型)
    左から中国船、菱垣廻船、鎌倉時代の廻船
    (各10分の1模型)
  • 左:和船の船大工道具 右:中国船の船大工道具
    左:和船の船大工道具 右:中国船の船大工道具
    左:和船の船大工道具 右:中国船の船大工道具
  • 弁才船の断面
    弁才船の断面
    弁才船の断面
  • 100石(約15トン)積の弁才船実物大模型
    100石(約15トン)積の弁才船実物大模型
    100石(約15トン)積の弁才船実物大模型
  • 江戸時代の設計図をもとに帆柱部分を実物大で復元
    江戸時代の設計図をもとに帆柱部分を実物大で復元
    江戸時代の設計図をもとに帆柱部分を実物大で復元

近藤友一郎氏

 昭和3年(1928)、焼津(静岡県)にある近藤造船所、二代目船大工の父・佐吉の長男として誕生した。15歳で焼津造船所に船大工見習いとして入社、29歳で独立し近藤造船所を再興。静岡県相良町大江八幡宮の船祭で見た弁財船の模型の精巧な造船手法に感動し、伝統的な和船模型の製作を志す。平成元年(1989)、近藤和船研究所を設立。和船模型の製作、展示とともに関連資料の調査・収集を行なう。平成16年(2004)、「現代の名工」に選出され「卓越技能章」受賞、2年後「黄綬褒章」を受賞。満79歳にて逝去。