個別共同研究 ポルト屏風下張り文書等の予備的研究
調査地域
ポルト市(ポルトガル)ほか
研究目的
本研究は、ソアレス・ドス・レイス国立博物館(ポルトガル・ポルト市)が所蔵する「南蛮屏風」(以下、ポルト南蛮屏風)の屏風絵(表)と下張り文書(裏)の総合的・資料学的研究を目的としている。
ポルト南蛮屏風の屏風絵は、狩野派の絵師が描いた17世紀初頭の優品で、近世初期の風俗資料としても価値が高い。2002年にこの屏風が修復されたときに取り外された下張り文書は、京都の菓子屋「菱屋」が所蔵していた近世中期の古文書(約2,000枚)である。本研究では、ポルト南蛮屏風の総体を対象に、資料全体のデジタルデータ化と目録の整備をすすめる。
将来的には、「エヴォラ屏風文書」など他の屏風・襖とその下張り文書をも視野に入れて、歴史学・美術史学・建築史学・民具学・文化人類学・キリスト教史学・情報学などの学知や古文書修復などの経験知を総合した国際的・学際的な研究に発展させることを期している。