共同研究 ブラジル日本人入植地の歴史民俗学的研究
新着情報
- 2020年3月11日
- 「レジストロ植民地史補足調査」(2019年12月25日~2020年1月6日/報告)
調査地域
南米とくにブラジル国サンパウロ州における日本人入植地および戦後沖縄移民をふくむ日系人集住地区
研究目的
日本常民文化研究所は日本および近隣東アジア地域の民俗および民衆史の研究において独自の地歩を占めてきた。本共同研究は、そのなかで確立された研究視角と調査手法を、南米の日系人社会という新たな対象へと展開する試みである。南米移民が始まった20世紀初頭、戦争による中断、経済成長の結果としての移出民の停止、近年の日系人デカセギといった国際関係の変遷をおさえつつも一般移民の日々の生活世界を描き出すことに主眼を置いて、現地調査を重視し、民具や建築といった物質文化の記録化をすすめ、また、地方に残された私的な史資料を探索し読み解いていく。最初期の国策入植地として知られるイグアッペ植民地をベースとなる調査地としたうえで、すでに一定の蓄積がある研究調査分野を延長し、長野県人による開拓地や沖縄系移民集住地区での調査も並行してすすめる。
期待される成果
毎年3回の研究会を開催し、共同研究参加者が現地調査や史料分析を報告するほか、日系人研究専門家を招聘して研究動向を学習する機会とする。共同研究の完成時には、最終成果報告会として公開シンポジウムを開催し、ブラジル日本人入植地の歴史と民俗について民俗誌的な論文集を刊行する。
※本研究はJSPS科研費15H05172の助成を受けたものです(2015年4月1日~2019年3月31日)