神奈川大学日本常民文化研究所

調査と研究

基幹共同研究「常民生活誌に関する総合的研究」—布の製作と利用に関する総合的研究—

原始布・古代織参考館 原始布織工房・出羽の織座「愛(藍)と苧麻(からむし)展—人と自然をつなぐもの—」展覧会見学

日程:2020年7月20日(月)
調査者:加藤友子
調査先:東京交通会館 2階ギャラリー

 木綿以前の織物を「原始布」と称し、風前の灯火の「原始布」の復元に取り組んでおられる山形県の古代織参考館を2019年9月16日に訪問している。今回、東京有楽町の交通会館にて、貴館の展覧会開催のご案内を山村幸夫館長からいただき、展覧会資料の解説と本基幹共同研究の成果発表展示について相談をした。また、成果発表展示の出品資料として、復元した葛布・藤布・紙布・榀布・大麻布・苧麻布・イラクサ布・ぜんまい布の織布とそれに伴う原料と糸を貴館に調達していただき昨年度収集したこともあり、今回見学した展覧会から、展示方法や解説などを学ばせていただいた。
 貴館初代館長の山村精(まさし)氏は、1950年頃から山村に残る織り手を訪ね、原材料の調達をしながら原始布の復元と技術伝承に取り組み、さらに布とそれに伴う技術を後世に残すために商品としての布を流通させている。この意思を受け継いでおられるのが、山村幸夫館長である。本基幹共同研究では、各地域で長年研究や伝承をされている方から貴重な情報を窺い、広く情報発信もしたいと考えている。

(文責:加藤友子)