神奈川大学日本常民文化研究所

調査と研究

受託研究 国立研究開発法人水産研究・教育機構古文書目録作成業務

和歌山県立文書館・湯浅地区調査(2019年度)

日程:2020年2月9日(日)~2月11日(火)
調査先:和歌山県立文書館、湯浅町教育委員会、角長(醤油醸造家)
調査者:前田禎彦、越智信也、相原隆一

  • 湯浅町教育委員会での調査
  • 醤油醸造の圧搾用袋

 2018年度調査に引き続き、中央水産研究所所蔵古文書のうち、和歌山県旧蔵資料の松宮百合子家文書をはじめとした6資料群について目録を作成するための2回目の現地調査を行った。昨年度教育委員会において閲覧をさせていただいた松宮家に収蔵されている資料をすべて写真撮影し、そのデータは教育委員会と共有することとした。
 今回の調査では、昨年の調査の際に文化財審議委員の生田俊示氏からもご教示をいただいた、古い時代の醤油醸造に用いる圧搾(絞る過程)用の袋の材料である麻類と漁網の材料との共通性について確認すべく、湯浅地区で古くから醤油醸造をされている角長(角屋長兵衛)の加納誠社長にお話を伺った。実際にかつて用いていた絞るための袋を拝見させていただき、きめの細かい麻製の布が用いられていることが確認できた。また、重要伝統的建築物群保存地区に指定されている同町御蔵町には、醤油醸造の家と漁網を作製している「網組」と呼ばれた家とがある程度近接しており、苧麻等の材料を編むための労働力として、一定の技術を持つ近隣の女性が関わっていたことも分かった。
 今後、撮影した関連資料の解析を進め、目録原稿の作成に目途を立てたいと考えている。なお、今回も湯浅町教育委員会の山本隆重氏、中原七菜子氏にご教示、手配等ご尽力をいただいたことを感謝したい。

(文責:越智信也)