基盤共同研究 日本常民文化研究所所蔵資料からみるフィールド・サイエンスの史的展開
「国立民族学博物館との共催研究会」終了報告
日程:2024年7月14日(日)・15日(月)
会場:横浜キャンパス日本常民文化研究所912
みなとみらいキャンパス11階会議室(オンライン併用)
参加者:飯田卓、河西瑛里子、齋藤玲子、諸昭喜(国立民族学博物館館内研究員)
大西秀之、菊地暁(国立民族学博物館館外研究員)
角南聡一郎、泉水英計(所員)、全京秀(客員研究員)、余瑋(院生)
国立民族学博物館の共同研究「国立民族学博物館の資料収集活動に関する研究—創設後50年のレビュー」(代表 飯田卓)と共催の研究会が2日間にわたりおこなわれた。この共同研究は、民博の収蔵品についてコレクション形成の最初期からの収集活動の学術的価値を再評価する目的で2023年度より継続して調査および研究会をおこなっている。民博の前身である保谷民博やアチック・ミューゼアムの収集活動も対象とすることから、常民研での調査も兼ねて神奈川での共催研究会となった。
7月14日は午後2時より横浜キャンパスの日本常民文化研究所において、民族学振興会資料の収蔵庫を見学したのちに、日本民族学会付属民族学博物館関係資料を中心に、各自の関心にしたがって仮製本版を閲覧しつつ研究利用の可能性を探った。必要に応じ原資料も取り出して確認した。初見の史資料に触れた興奮も加わり、夕方の情報交換会は談論風発となった。
7月15日は午前10時より、みなとみらいキャンパスの会議室にて2本の研究報告と質疑応答がおこなわれた。第一報告は角南聡一郎「什物目録考—寺社におけるタイセツなものの記録と保護の歩み」で、什器の目録化という行為を世界史的な視野で理解しつつ、具体的な寺社資料にみられる特徴を検討した。第二報告は菊地暁「民俗資料保護史略—常民研、京大、民博との関わりなど」で、常民研の所蔵資料と深くかかわる資料群に言及しつつ、保護の対象として「民俗資料」なるものが確立していく過程を丁寧に解きほぐした。いずれも刺激的な報告で活発な質疑応答があり16時過ぎに散会。
(文責:泉水英計)