神奈川大学日本常民文化研究所

調査と研究

基盤共同研究 二神家・二神島の歴史・民俗研究

伊予史談会文庫及び長隆寺(愛媛県松山市中島)文書の調査

日程:2016年6月24日(金)~25日(土)
調査先:愛媛県立図書館、龍雲山護持院太山寺
参加者:所員/前田禎彦、職員/越智信也、特別研究員/萬井良大、大学院生/山本昂伯

 2008年度より常民研が実施してきた共同研究「瀬戸内海の歴史民俗」では二神島及び周囲の中島(忽那諸島)を中心とする忽那七島(愛媛県松山市)を中心に歴史・民俗調査を進めてきた。今年度からは、その成果を踏まえつつ、さらに積み残してきた部分も含め、所員・田上繁、小熊誠、前田禎彦の3名を中心に二神島及び二神家の歴史民俗研究を継続することになった。今回は、前田が、6月24日、25日に越智、萬井、山本とともに愛媛県立図書館の所蔵する伊予史談会文庫の二神氏関係文書及び長隆寺(愛媛県松山市中島)に伝来した忽那氏関係文書の調査を実施した。
 愛媛県立図書館では、伊予史談会文庫に含まれる片山二神家・柳原二神家の文書の写本調査を行った。二神島に伝来した二神司朗家文書(日本常民文化研究所所蔵)との関係を明らかにし、中世から近世にかけて伊予本土でも活動した二神氏の動向を探ることが目的である。また、長隆寺文書は中島(忽那諸島)を拠点に活躍した忽那氏ゆかりの長隆寺に伝来した中世文書群である。現在は四国八十八箇所霊場の第五十二番札所として知られる龍雲山護持院太山寺(愛媛県松山市太山寺町)に保管されており、今回、ご多忙な中、吉川俊宏住職のご厚意を得て文書の撮影・調査が許された。撮影・調査に当たっては、現地調査で常々お世話になっている豊田渉氏・二神英臣氏をはじめ二神系譜研究会のメンバーの方々にも立ち会っていただき、有益なお話をうかがうことができた。調査結果を今後に生かすようお約束するとともに、この場を借りて改めて感謝申し上げたい。

(文責:前田禎彦)