神奈川大学日本常民文化研究所

調査と研究

基幹共同研究「常民生活誌に関する総合的研究」 " 日常茶飯 " —日本人は何を食べてきたか

共同研究「'' 日常茶飯 ''—日本人は何を食べてきたか—」 第2回研究会・公開講演会 終了報告

「お茶のある暮らし」
中村羊一郎氏(元静岡産業大学教授)

日時:2021年12月10日(金)14:30~16:30
会場:Zoomミーティング


中村羊一郎氏

 日本常民文化研究所 共同研究「常民生活誌に関する総合的研究」「 " 日常茶飯"- 日本人は何を食べてきたか」第2回研究会は、公開講演会(オンライン式)として開催された。「暮らしのなかのお茶」をテーマとして、中村羊一郎氏が学術講演を行われた。
 中村羊一郎氏のご講演では、長年の現地調査で得られた豊かな画像資料を駆使し、日本人の日常生活におけるお茶の在り方を克明に解説された。特に「茶の湯」=抹茶、あるいは華やかな茶道の世界とは異なる次元の、庶民の「日常茶飯」に重点を置き、「番茶」の世界を深く掘り起こし、庶民の生活文化の再発見とも言える持論を展開された。
 日本語での日常茶飯あるいは日常茶飯事とは、日々の暮らしのなかで繰り返される、当たり前のことを意味するのだけではなく、茶と飯の両者が不即不離の関係にあることも意味する。この日常の「お茶」とは、各地多様の製法で作られ、暮らしに密着した自家用の「番茶」である。更に、この「番茶」は飲むだけでなく、茶粥などの食素材にも使われ、人生儀礼にも関わっていると中村羊一郎氏は指摘された。
 また、中村羊一郎氏は庶民の日常のお茶と食との関連を中心に、広く東アジアにまで目を向けながら、茶文化圏を論述されたうえで、上等でない普通のお茶=番茶(Bancha)を東アジアの茶文化圏の共通・共用のキーワードとして位置付けるべきだと提案された。

(文責:周星)