神奈川大学日本常民文化研究所

調査と研究

基幹共同研究「常民生活誌に関する総合的研究」—便所の歴史・民俗に関する総合的研究—

新着情報

調査対象

文献史料および国内外の住宅遺構における便所の空間・設備、糞尿の扱いと衛生論に関する調査研究

研究目的

 本共同研究は、「便所」と糞尿の扱いの歴史と民俗に関して、歴史学、民俗学、建築学からの視点を中心として、総合的に調査研究を行うものである。
 人間の生活に密接に関わる「便所」と生物の糞尿の扱いは、国内や世界各地の生活文化の多様性のなかでさまざまな風習・思想を有している。本研究ではこうした地域特有の便所空間や糞尿処理、あるいは衛生観や穢れの思想について検討し、人間生活の変容の一側面を明らかにすることを目的としている。

  • 近世書物にみる便所の妖怪
    (『今昔画図続百鬼』1779<安永8>年)
  • 大正期における便所の水洗化の啓発ポスター
    「今少し文化設備に親しめ」(1919<大正8>年開催 文部省生活改善展覧会のポスター 出典:国立科学博物館)

期待される成果

 本研究は、(1)関係史料の収集・整理、(2)国内外の住居の遺構調査(フィールドサーベイ)の2点を中心に調査分析を行う。さらに(3)上記の歴史学、民俗学、建築学ほか、社会学、地質学など関連分野の専門家による講演会を実施し、多様な分野・地域・時代からみた便所の歴史・民俗を複合的に検討する。
 2019年度は設置初年度のため、研究基盤の整備を進める。

 公開研究会も予定しているので、その際は各方面からのご参加をお待ちしています。

  • 代表者:須崎文代(日本の便所の変遷と近代衛生論)
    e-mail fsuzaki@kanagawa-u.ac.jp
  • 分 担:内田青蔵(近代住宅史における便所)
        泉水英計(糞尿処理をめぐる衛生観念の文化間摩擦)
        角南聡一郎(便所及び関連施設の素材研究)

[期間]2019 年~