神奈川大学日本常民文化研究所

調査と研究

受託研究 国立研究開発法人水産研究・教育機構古文書目録作成業務

和歌山県海南市下津町および和歌山市調査

日程:2018年1月27日(土)~1月29日(月)
調査先:和歌山県海南市、和歌山県法務局
調査者:田島佳也、越智信也、織田洋行、萬井良大、岩田康志

 和歌山県海南市下津町にかつて存在した「下津漁業協同組合」に関する資料群の目録作成業務は、2017年度をもって終了する予定である。目録原稿の提出も目前となった。下津町周辺の調査は今回が3回目となるが、今回は資料の採訪先の特定と、関係者からの聞き取り調査を実施した。下津町に古くから存在し、漁業従事者からの尊崇の篤い阿弥陀寺および四十八所神社をそれぞれお尋ねし、資料中に散見する漁業者のご子孫にお話を伺うことができた。かつて、漁業の中心はシラスおよびイカナゴの漁で、主に沿岸域で行われていたこと、阿弥陀寺および四十八所神社が漁業者の尊崇をあつめており、古い歴史をもっていること、資料に散見される〆木家および〆崎家については、元は同じ家系であったが、明治以前のある時期に〆崎家が〆木から改名していること等が分かった。
 和歌山県法務局では、この地域の土地利用についての調査を行い、近世以来漁業よりもミカン栽培に重点があったと考えられることが見えてきた。阿弥陀寺および四十八所神社の関係の方には様々なご手配をいただいた。感謝申し上げたい。

(文責:越智信也)