基盤共同研究 ポルト南蛮屏風の総合的研究による新領域の開拓
個別共同研究から基盤共同研究へ(2021年度活動報告)
2019年度中の2020年1月末、所員の関口博巨と泉水英計がソアレス・ドス・レイス国立博物館を訪ね、修復された南蛮屛風とその下張り文書の予備調査を行った。これを受けて、2020年度には個別共同研究「ポルト屛風下張り文書等の予備的研究」を立ち上げた。
2020年度には、エヴォラ屛風文書レプリカ(岡墨光堂製)が、南蛮屛風下張り文書修復実行委員会から神奈川大学へ譲渡されることが決まった。これを機に、2021年度からは、本研究の位置付けを個別共同研究から基盤共同研究に改め、共同研究の名称も「ポルト南蛮屛風の総合的研究による新領域の開拓」に変更した。
あわせて、「ポルト南蛮屛風の総合的研究による新領域の開拓」は、2021~2023(令和3~5)年度の科研費挑戦的研究(開拓)に採択されたため、2021年度からは常民研の所員のほか、他機関の研究者にも研究分担者をお引き受けいただくこととなった。本プロジェクトの新体制は整った。
しかしながら、本プロジェクトは世界的なコロナ禍の中での船出であり、研究活動は大幅に制限されざるを得なかった。2021年度は、調査活動はまったくできず、打合せ会と公開研究会もすべてオンラインによる開催となった。「エヴォラ・ポルト屛風文書研究会」を掲げて開催した第1回公開研究会のプログラムは以下の通りである。
2021年9月18日(土)エヴォラ・ポルト屛風文書研究会
第1回公開研究会(主催:神奈川大学日本常民文化研究所、Zoomミーティング)
「エヴォラ・ポルト屛風文書研究会」趣旨説明(関口博巨)
ポルト・エヴォラ屛風文書の予備調査報告(報告者:泉水英計)
ポルト南蛮屛風下張り文書の紹介(報告者:関口博巨)
エヴォラ屛風文書について—先行研究二書の紹介—(報告者:久留島典子)
コロナ禍が続く現在、2022年度以降の現地調査の見通しを立てられずにいる。来年度は写真データやレプリカなどを活用して、何とか研究を進めたいと考えている。
(文責:関口博巨)
2021年度の活動
- 「ポルト南蛮屛風の総合的研究による新領域の開拓」科研費挑戦的研究(開拓)の採択 2021年7月9日 関口博巨
- 研究分担者・研究協力者打合せ 2021年8月3日、9月18日 関口博巨・久留島典子・昆政明・泉水英計・吉澤達也・岡美穂子・森脇優紀ほか オンライン開催
- 「エヴォラ・ポルト屛風文書研究会」第1回公開研究会 2021年9月18日 関口博巨・久留島典子・昆政明・泉水英計・吉澤達也・岡美穂子・森脇優紀ほか オンライン開催
※2021年に個別共同研究「ポルト屛風下張り文書等の予備的研究」から、研究カテゴリ・研究名を基盤共同研究「ポルト・エヴォラ屛風文書の総合的研究による新領域の開拓」に変更。2021年7月9日より、科研費挑戦的研究(開拓)「ポルト南蛮屛風の総合的研究による新領域の開拓」
※本研究はJSPS科研費21K18119 の助成を受けたものです(2021年7月9日~2024年3月31日)