神奈川大学日本常民文化研究所

調査と研究

基盤共同研究 渋沢敬三に関する総合的研究



新着情報

調査地域

日本を中心とする渋沢敬三に関連する場所・機関

  • 『浜田浦 瓦片録』写本 
    神奈川大学日本常民文化研究所所蔵
  • 「延縄揚作業」

研究目的と期待される成果

 渋沢敬三は本研究所の前身であるアチック・ミューゼアムを主宰した学者であるとともに、祖父栄一の跡を継ぎ政財界の要職も務めた実業家でもある。渋沢敬三は少年の頃は動物学者に憧れるものの、大学では経済学部で工業の歴史を研究した。銀行や会社の経営に関わりながら産業の育成に努め、その傍らで歴史学や民俗学を研究する。日本銀行総裁や大蔵大臣として戦中・戦後の財政と金融に取り組み、旅行や外交を通じて国際的に交流し、理学や工学・医学の発展にも寄与した。このような学問と実業にまたがり、諸分野を越境し横断するスケールをもつ人物の思想や事績について研究することを通じて、これからの時代における知や活動のあり方への指針を得るとともに、日本の近代の一面について考察する。 
 具体的には、書物の収集や出版・編集といったような、渋沢敬三のものの見方や考え方、事業を構想・計画し実現していく方法について、各自の関心にもとづきながら意見を交わし議論を深める共同研究を進めている。研究の成果を発表・還元することによって、本研究所に限らず学術活動全般の参考となることが期待できる。

[期間]2022年~