基盤共同研究 海域・海村の景観史に関する総合的研究
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調査地域
本研究所所蔵の漁場図に描かれている地域、 及び関連する海域 ・海村
研究目的




本共同研究は、常民研において開所以来取り組んできた海域・海村史の研究蓄積を継承し発展させるものである。海は水産物だけでなくさまざまな資源を生み出す。その開発・利用に当たっては、人・物・情報の行き来を促し、そうした営みを通して社会知や民俗知が膨大に集積される空間となっている。反面、負の記憶として海域の利用をめぐっては個人や村のレベルから国際的な問題まで対立や紛争を生んできた。また海と対峙する海村では、災害や大事故が歴史的に繰り返されてきた。そうした海域・海村の歴史民俗文化について漁業制度資料調査で全国から収集された「漁場図」に描かれた景観を手がかりに、本研究所の人的資源を活用し学際的に研究することが主な目的となる。
期待される成果としては、共同研究会において学際的な検討を経た後、研究成果を論文集としてまとめる。また、本研究所が所蔵する漁場図のデジタル化を進め、漁場図データベースを制作することで研究資源として広く社会に公開する。
[期間]2015 年~2024年3月
成果報告
常民文化研究講座
第24回 常民文化研究講座 「景観の総合資料学—漁場図を読む2—」
2020年12月12日(オンライン開催)
本講座は、常民研共同研究「海域・海村の景観史に関する総合的研究」の一環として企画された。常民文化研究講座としては、すでに 2015年に「“漁場図” を読む」と題し第 1 回をおこなっており、その報告は『歴史と民俗』33号に掲載されている。
今回は漁場に限定せず、広く生業空間としての山野河海の利用について、歴史学にとどまらず民俗学や植生学などさまざまな学問分野から景観の変遷を切り口に論じることとした。そのため、各講師の発表は、手法や論点、対象が多岐にわたり、ときに都市空間を含めた議論がなされた。
第19回 常民文化研究講座「『漁場図』を読む」
2015年12月5日 神奈川大学横浜キャンパス 3号館305教室
日本常民文化研究所はその発足の早い段階から漁業制度資料等による海域・海民史の研究に取り組み、能登半島や二神島といった地域で多くの研究蓄積をなしてきた。また、2015年度からは、共同研究「海域・海村における景観史に関する総合的研究」に取り組んでいる。本シンポジウムはそうした研究蓄積をもとに、常民研に所蔵される膨大な数の「漁場図」に焦点を当て、その研究資源としての価値を問うものである。海域海村の歴史文化について、「漁場図」を手がかりに、学際的に研究することが本シンポジウムの主な目的となる。
刊行物
歴史と民俗
神奈川大学日本常民文化研究所論集
神奈川大学日本常民文化研究所編 発行/平凡社
特集では、常民研文化研究講座の成果を展開させた内容となっています。
※ご購入は平凡社までお問合せください。